Email

Eメール配信におけるベストプラクティス

更新日時 November 29, 2016

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ソフトウェア: HubSpot マーケティング
サブスクリプション: Basic, Pro, & Enterprise

Eメールをコンタクトの受信トレイに適切に届けることは、Eメールマーケティングにおいて必須です。メールがコンタクトの受信トレイに届かなければ、Eメールマーケティングは失敗です。ここでは、受信トレイへの到達を成功させるためのベストプラクティスを紹介します。受信トレイへの到達を妨げるスパムクレームや高いバウンス率を発生させないための方法も説明します。

まずは、Eメールマーケターとして理解しておくべき用語を説明します。

破棄されたアドレス: 以前は有効だったが、破棄されて使用できなくなったEメールアドレス。

認証: 受信者のサーバーが、ドメインのDNSレコードを使って送信者を検証するプロセス。

フィードバックループ: 送信サーバーと受信サーバー間のやりとり(Eメールがいつ届いたか、いつ開封されたか、いつスパムに設定されたかがわかり、ハードバウンスメッセージのエラー原因を特定できます)。ここで重要な点は、すべてのISPが、フィードバックループでスパムクレームをレポートするわけではないということです。つまり、スパムクレームがレポートされているということは、その数だけクレームがあったのではなく、スパムクレームがもっとあるだろうと推測できるということです。

ハードバウンス: 送信したメールが拒否されたり配信できないエラー。アドレスが無効だった、スパムフィルターによりスパムと判断されたなど、数多くの理由が考えられます。

受信トレイ到達エラー: メールが受信者の受信トレイに到達できない状態。メールがスパムフォルダに振り分けられたり、メッセージの受け取りを拒否される(ハードバウンスとして削除される)といったことが原因で発生します。

業界許容のしきい値: 各ISPによって設定され、Eメール業界全体で一般に許容されているハードバウンス率やスパムクレーム率のこと。このしきい値を超えると、送信者としての評判が下がり、受信トレイ到達エラーが頻繁に発生するようになります。ハードバウンスとスパムクレームのしきい値はそれぞれ5% と0.1%です。

ISP(受信トレイサービスプロバイダー): (インターネットサービスプロバイダーとの混同に注意)受信者がEメールの受信に利用するEメールサービス(Yahoo、GMail、Verizonなど)。

送信者の評判: 送信者が送信するメッセージに対して起きた内容によって判断される送信者の評判。 開封率、クリックスルー率、スパムレポート、バウンス率などが影響します。評判がよければ、メールは高い確率で受信者の受信トレイに到達します。評判が下がれば、メールは受信者のスパムフィルターによりスパムフォルダに振り分けられたり、さらに悪い場合は、完全に拒否され、ハードバウンスとして削除されます。

スパムクレーム: 受信者が、受信したメッセージをスパムだとISPに報告すること。スパムクレームが発生したということは、受信トレイの所有者が購読解除ではなく、積極的に「スパムレポート」ボタンをクリックしたということになるので、送信者の評判にとって大きなダメージになります。

スパムフィルター: メッセージをスクリーニングして、送信者とコンテンツの評判と正当性を判断するために受信者のサーバーが使用するアプリケーション。

スパムフォルダ: (迷惑メールフォルダとも呼ばれます)送信方法が不適切であったり、送信者の評判が悪いために、その送信者から送られたメールが振り分けられるフォルダ。

スパムトラップ: スパムトラップには多くの種類があります。代表的なスパムトラップの1つに、スパム業者を捕まえるためにISPによって再利用される破棄されたアドレスがあります。このアドレスに送信してしまうと、送信者の評判は下がり、送信者のドメインまたは送信IPはブラックリストに入ることになります。

次は、一般的に認められているベストプラクティスを紹介します。

リストの購入、借用、取得をやめる

これは信頼に関わる問題です。どこかにオプトイン済みのコンタクトのリストを購入しても、これは確認済みオプトインとは異なり、そのコンタクトから明示的にオプトインを得たことにはなりません。コンタクトから直接許可を得ていない限り、明示的なオプトインにはならないので、このような相手にEメールを出すことは、プライバシーの侵害になり、信頼関係の構築とは全く相対する行為になります。

このようなリスクを回避するための簡単な心がけとしては、コンタクトとの初めてのコミュニケーションまたは自己紹介をメールで行わないようにします。全く知らない会社からメールをもらって、そのメールを開封し、いい関係を築けたことがありますか? 受信トレイに全く知らない会社のメールを見つけた受信者にとって、その会社への第一印象はただ悪くなるだけです。

コンタクトとの関係が悪くなるだけでなく、送信者の評判も傷付きます。バウンス率は高くなり、スパムと認識され、スパムトラップにかかる確率も高まります。そしてなによりも、このような方法で取得したリストを利用した場合、高いROIを望むことはできません。また、評判のよいESPは、サードパーティのリストにメールを配信することを認めていません。通常、このことは利用ポリシーや利用規約に明記されています。使用しているリストがHubSpotの使用に適していることを確認してください。

オプトアウト/抑制リストを使用する

Eメールサービスプロバイダーを変えた場合には、メールを希望しないことを明らかにしているコンタクトや不適切なアドレスであることがわかっているコンタクトに誤ってメールを送信しないように、以前のESPから、オプトアウトしたコンタクトや不適切なアドレスのリストをダウンロードし、新しいESPにアップロードしてください。これにより、ESP間の移行を適切に実行でき、クレームとハードバウンスによる評判の低下を回避することができます。

信頼関係を構築する

信頼関係の構築はまず、明示的に許可をもらったコンタクトにのみEメールを送信し、今後の展開を正確に伝えることから始めます。これは、非常に重要なことであり、かつ非常に簡単なことでもあります。オプトインプロセス中に、購読者が何を(コンテンツ/価値)どのくらいの頻度で受け取るのか、そして場合によっては最初のメッセージを具体的にいつ受け取るのか、または少なくともいつまでに受け取るのか(月初め、隔週の月曜日など)を明確にしておけば、コンタクトは、受信トレイでメールを受け取る心づもりができるので、受信トレイに配信されたメールを見つけても驚いたり困惑されずにすみますし、メールを楽しみにしてもらえる可能性もあります(期待どおりに受信トレイに届かない場合、スパムフォルダを探してもらえます)。

ダブルオプトインを行う

ダブルオプトインとは、新しい購読者に最初のメールで購読についてもう一度確定してもらうことです。この確認メールでCTAがクリックされない場合、それはつまり、そのコンタクトはそれ以上のメール配信を望んでいないということになります。この段階を踏むと、リスト内のリード数はなかなか増えませんが、ダブルオプトインを選択してくれたコンタクトは、本当にメールを望んでいるリードだということがわかります。より有望なリードのリストが作成され、彼らにマーケティングを集中させることにより、ROIを上げることができます。さらに、このようにして作成されたリストに追加されたコンタクトは、1回きりのオプトインプロセスでリストに追加されたコンタクトより、平均してエンゲージメント率が高くなる傾向があります。

購読の選択を訪問者の手に委ねる

フォームに入力してもらう代わりに無料のeBookを提供する場合に、オプトインもその条件としてしまうと、さまざまな問題が発生する可能性があります。Eメールは欲しくないが、無料コンテンツが欲しいだけの訪問者であれば、偽のアドレスをフォームに入力することも考えられます。さらに、無料のコンテンツを獲得するために本当のアドレスを提供したけれどEメールは欲しくないというコンタクトであれば、スパムに設定する可能性も生じます。リストに加えるコンタクトは本当に有望なコンタクトなのかということは、常に確認するようにしましょう。

不要な指標は意味がありません。むしろ、時間をかけてコンタクトに投資してマーケティングを集中した結果、会社の評判は下がり、エンゲージメント率が低下し、クレーム率やバウンス率が悪化するだけになる可能性があります。また、このような指標は有効な指標をも歪ませ、有望な購読者ベースを明確に捕らえることが困難になります。

コンタクトが自分のメールアドレスをフォームに入力する際、Eメールの購読についてはコンタクトが選択できるようにします。コンタクトがチェックボックスをオンにすることにより、コンタクトの意志を確認するようにしましょう(このチェックボックスがデフォルトでオンにならないようにしてください)。このようにすると、コンタクトからのオプトインは減るでしょうが、本当に時間と手間をかけてマーケティングするべきリードを見つけることができます。

また、無料コンテンツを取得するのに有効なEメールアドレスが必要となるフォームを作成することもできます。Eメールでコンテンツをダウンロードできるリンクを提供したり(つまり、サンキューページからダウンロードしません)、Eメールでコンテンツを直接届けるなどします。この方法を取れば、コンタクトは本当のEメールアドレスを入力するしかないので、偽のEメールアドレスが提供されることはなくなります。ただし、この方法を採用する場合でも、Eメールの購読についてはオプションにすることが必要です(つまり、理論的には、コンタクトは本当のEメールアドレスによりコンテンツを獲得しても、別のフォームで購読意志を自ら示さなければそれ以上は何も受け取らない、という形を取ることができます)。

... それから、購読者側であらゆることを決定できるようにする

何を受け取るのか、どの程度の頻度で受け取るのか、場合によってはさらにいつ受け取るのかを購読者側で決定できるようにします。購読者に決定権を与えれば、より満足感の高い購読者ベースができあがり、コンタクトの保持率も上がります。メールの配信頻度や配信コンテンツを購読者側で決められるようにしておくと、配信頻度は下がるかもしれませんが、配信回数が多いことが原因で購読者がオプトアウトするしかない状態より、配信頻度を少なくするオプションがあった方が、購読維持率は上がります。

エンゲージしないコンタクトを定期的に削除する

エンゲージしない受信者は何の利益も生み出しません。投資が無駄にしかならない相手にマーケティングを実施しているだけでなく、マーケティング対象にすべき相手を見逃してしまうことにもつながります。期間(半年ほど、もっと余裕を持って判断するのであれば1年ほど)を決めて、その期間にメールの開封がなかった、メール内でのクリックがなかった場合、そのコンタクトをスマートリストとしてまとめ、このリストを除外リストとして使用します。そして、再びエンゲージメントが発生したら、自動的にそのコンタクトをスマートリストから削除して、Eメールを再度受け取れるようにします。

リストのセグメンテーションとパーソナライズ

すべてのコンタクトが同じものに興味があるわけではありません。何に興味があるのか、何をクリックしたか、通常開封しているメールタイプと開封していないメールタイプなど、各コンタクトの好みを把握するよう努力する必要があります。コンタクトが好むものを送信し、ロイヤリティに対して何らかの特典などを与えるようにすれば、コンタクトの満足度を高めることができます。そして、エンゲージメント率が上がれば、メール到達度も上がり、Eメールマーケティングが成功する確率も高まります。

メッセージはパーソナライズします。リストへの一括送信ではなく、コンタクト個人に宛てていると感じられるようなメッセージにします。より人間的なアプローチにすれば、コンタクトは、自分があなたやあなたの会社にとってその他大勢の1人ではなく、特別な存在であるのだと感じられるようになり、あなたとのつながりをより強く感じるようになります。

ようこそ/サンキューメールを送る

このタイプのEメールは、最も開封率が高いタイプです。通常、このようなメールはフォーム送信後数分以内に送られるもので、特に最初のメッセージがいつ届くのかわかっている場合は、開封率は非常に高くなります。これは、会社の評判アップに役立ち、ブランドの認知向上にもつながります。また、スパムフォルダに入ってしまった場合でも、会社からメッセージが届くとわかっていれば、受信者はそのメッセージを探しに行き、受信トレイに移動してくれます。このことで、この会社からのメッセージは正当なメールだと受信トレイが認識するようになり、会社の評判も上がります。

一貫させる

一貫したメール戦略を立てます。最低でも数ヶ月に1度、できればもう少し頻繁に受信トレイにメッセージを届けるようにします。このように、受信トレイに定期的にメッセージを届けることにより、次のことが可能になります。

  • 受信トレイの所有者に会社の存在を意識してもらうことができます。会社の存在を忘れてしまい、メールが届く理由までわからなくなる危険性を下げることができます(クレーム率の発生を抑えます)。
  • 破棄されたアドレスをいち早く見つけ、アドレス数が膨大になりすぎるのを(そして、会社の評判が下がり、受信トレイへの到達率が下がるのを)防ぐことができます。

2つ目の購読解除リンクを追加する

メッセージの一番上に、2つ目の購読解除リンクを挿入しておけば、購読が面倒で解除しない状況を避けることができます。これは、メッセージを最後までスクロールして購読解除リンクを見つけるのが面倒な受信トレイの所有者が、購読解除とどのみち同じことだと考えスパム設定してしまう状況のことです。コンタクトが購読解除手順を踏まないでスパム設定することは、コンタクトにとっては同じことでも、あなたの会社としては同じではなく、避けたい事態です。

リンクをあいまいにしない

リンク短縮ツールを使用すると、メールがフィルターにより除外される確率が高まります。悪意あるリンク先を隠すためにBit.lyのようなサービスを悪用するスパムにより、スパムフィルターは、このようなリンクを含むメールに厳しく対応するようになっています。さらに、他のドメインにつながるリンクを使用した場合、それは、そのドメインの評判を保証していることにもなります。悪意ある送信者が頻繁にobscuremylink.comへのリンクを使っている場合、スパムフィルターは最終的にこのことに気付き、そのメールを除外するだけでなく、そのリンクを使っているすべての送信者を排除するようになります。送信側の会社のドメインの評判が非常に高くても、スパムに設定されてしまいます。

送信者とドメインの評判を維持する

送信者の評判は、受信トレイに到達できるかどうかに直結するものです。送信者の評判が下がると、受信トレイへの到達率も下がります。メールはスパムフォルダに配信されるようになり、ハードバウンス率が高まります。送信者の評判はESPが変わっても付いてまわります。そのため、ここで紹介するベストプラクティスに従って、高い評判を維持するよう、できる限り努力するようにしてください。

リスト検疫とエンゲージメント

これは、複数の理由において非常に重要です。エンゲージメントが高いということは、購読者が好む情報を届けており、購読者が会社の製品やオファリングに興味を示しているということの証明になります。また、高いエンゲージメントには送信者の評判を上げるというメリットもあります。さらに、開封率が高いと、受信者のISPは、その送信者のメールが受信を望まれている正当なメールだと学習するようになります。

認証

HubSpotでは、指定IPアドレス経由でマーケティングメッセージを送信して、マーケティングEメールに対してSPFを実行しています。DKIMについては、セットアップは必須ではありませんが、受信者のスパムフィルターがメッセージを受け入れるかどうかの認証を行います。DKIMは、送信者の信頼性と評判をさらに高める役割を果たします。HubSpotでのDKIMのセットアップ方法については、ここを参照してください。

受信トレイ到達エラーのサインを見落とさない

結果には原因があります。低いエンゲージメント、高いバウンス率、高いクレーム率が時間をかけて、メールが受信トレイに到達できない状況を作り上げています。評判は下がっていき、メールはスパムフォルダーに送られるようになり、一時的なエラーを原因とするハードバウンスが発生するようになります。そして、会社への評判はどんどん悪くなり、このようなエラーが頻繁に発生するようになります。

では、そのサインをどうやって見つければいいのでしょうか。開封率とバウンス率に注意してください。開封率が下がってくれば、スパムフォルダに振り分けられている可能性が高いということになります。受信側のサーバーがメッセージを受け取っている限り、それが最終的にスパムフォルダに振り分けられていても、送信側にとっては配信は成功しています。ですが、スパムフォルダに振り分けられている場合、受信者はそのメールを開いて内容を見ていない可能性が非常に高くなります。つまり、開封率が下がるということです。

また、Eメール送信に使っているリスト全体でバウンス率が上がった場合は、そのリスト宛のメールがまとめて受信拒否され、一時的エラーによるハードバウンスとして削除されている状況が考えられます。