リード スコアリング ツールを理解する
更新日時 2025年4月25日
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CRM内のコンタクトおよび会社に優先順位をつけるために、コンタクトレコードまたは会社レコードのアクションやプロパティーに基づいてカスタム リード スコアを構築することができます。スコアによってリードに値が割り当てられ、どのコンタクトおよび会社が顧客になる可能性が高いかを評価できます。リードスコアを作成すると、リードスコアは条件に基づいてレコードを評価し、対応するスコアプロパティーに値を設定します。リスト、ワークフロー、レポートなど、他のHubSpotツールでスコアプロパティーを使用できます。
この記事では、作成できるスコアのタイプ、スコアの計算方法、スコアをさらにカスタマイズして分析する方法について詳しく説明します。また、HubSpotツールでのスコアの使用例を確認することもできます。
スコアのタイプ
コンタクトレコードおよび会社レコードに対して、次のタイプのリードスコアを作成できます:
- エンゲージメントスコア:ウェブサイト訪問、ニュースレターへの登録、CTAのクリック、マーケティングEメールの開封などのアクションやインタラクションに基づいてレコードの見込み判定を行います。コンタクトレコードの場合、エンゲージメントスコアはコンタクトのアクションを評価します。会社レコードの場合、エンゲージメントスコアは、会社レコードに関連付けられているコンタクトのアクションを評価します。エンゲージメントスコアの作成方法をご確認ください。
- 適合スコア:年齢、役職・職種、会社規模、収益などのプロパティー値を使用して、レコードのデモグラフィック(属性)情報を基にレコードの見込み判定を行います。適合スコアの作成方法をご覧ください。
- 複合スコア(Marketing Hub Enterpriseのみ):エンゲージメント条件と適合条件に基づいてレコードを適格判定します。これらのスコアには、アクションとデモグラフィック(属性)情報の両方を考慮した複合的なスコア値が含まれます。個別のエンゲージメントや適合のスコアも確認したい場合は、それらを含めることもできます。複合スコアの作成方法をご覧ください。
スコアの計算方法
スコアは、スコアグループ内のイベントおよびプロパティーのルールに設定した条件に基づいて計算されます。各スコアには少なくとも1つのスコアグループが必要ですが、複数のグループを含めることも可能です。それらは合計スコアに加算されます。最大合計スコアには上限を設定することができます。また、各グループに最大スコアを設定して、条件またはイベントのグループの重み付けに差を設けることもできます。例えば、ページ訪問などの認知度に関するイベントのグループに対してはポイントの上限を設定する一方で、セールスフォームの送信やミーティングなどのコンバージョンイベントのグループに対しては、より多くのポイントが追加されるように設定できます。
異なるスコアの上限と値についての詳細:
- スコアの上限:総合スコアのポイントの最大数です。レコードが上限に達すると、それ以上ポイントがスコアに加算されなくなります。レコードの総合スコアは、スコアプロパティーの値として表示されます。
- グループの上限:特定のグループのポイントの最大数です。レコードがグループの上限に達すると、そのグループのスコアにはそれ以上ポイントが加算されなくなります。全てのグループの上限は総合スコアの上限に追加されます。各グループのレコードの値は総合スコアに加算されます。グループの上限は、整数にすることも、小数点以下を含めることもできます。
- 基準ポイント:個々のプロパティーまたはイベントルールに割り当てられるポイントです。ポイントは、スコアに対して加算または減算されます。各グループでは、基準ポイントの合計がグループの上限以下になります。各ルールのレコードの値はグループスコアに加算され、グループスコアは合計スコアに加算されます。基準ポイントは、整数にすることも、小数点を含めることもできます。
- 総合スコア上限は100。
- 「Engagement with sales」グループの上限は60ポイント。スコア値は、通話開始で15ポイント、ミーティングの予約で10点、ミーティングの完了で20ポイント。
- 「Engagement with sales」グループの上限は60ポイント。スコア値は、CTAのクリックで6ポイント、マーケティングEメールの開封で2ポイント、マーケティングEメールのリンククリックで5ポイント。
- あるコンタクトがミーティングを予約し、2通のマーケティングEメールを開封し、Eメールのリンクを3つクリックした場合:
- 「Engagement with sales」グループのスコアは10ポイント。
- 「Engagement with marketing」グループのスコアは19ポイント。
- 総合スコア(スコアプロパティー)は29ポイント。
加点と減点
ルールごとに、ポイントの加算または減算を選択できます。例として、以下が挙げられます。
- あるコンタクトは、マーケティングコンテンツとのエンゲージメント率が高いものの、最近ニュースレターの配信登録を解除しました。この場合、マーケティングエンゲージメントのポイントは加算し、配信登録の解除についてはポイントを減算できます。
- ある会社は、規模と業種に基づいて高い適合スコアを持っているものの、その会社は貴社のサービス提供範囲外の地域にあります。この場合、業種と規模が適している点についてはポイントは加算し、サービス提供範囲外である点についてはポイントを減算できます。

スコア減衰
エンゲージメントまたは複合スコア イベント グループでは、スコア減衰機能を有効にすることができます。これは、スコアのついたイベントが発生してからどのくらい時間が経過しているかによって、個々のイベントのスコアを自動的に減らしていくものです。スコア減衰は各イベントに依存せず、線形ロジックに従います。減衰したスコアは全体のスコア値に集約されます。
例えば、特定のフォームに記入があった場合に10ポイント加算されるというルールがあるとします。このイベントの減衰が毎月50%に設定されている場合、フォームに記入があった1か月後にそのイベントの10点は半分に減衰され、そのイベントは5ポイントになります。減衰はイベントの元のスコア値(つまり10ポイント)に基づきます。この例の場合、さらに1か月後にはこのフォーム送信のスコアは0ポイントになります。
スコア減衰は履歴データにも適用されます。例えば、CTAのクリックに対して2ポイント追加されるものの、3か月で100%減衰するというルールがある場合、CTAのクリックが4か月前であるなら、そのコンタクトには2ポイントは加算されません。
AIスコア(Marketing Hub Enterpriseのみ)
コンタクトのエンゲージメントと適合スコアについては、AIを使用してスコアを作成できます。AIスコアを作成すると、コンタクトが評価され、AIモデルがトレーニングされます。評価されるコンタクトに基づいた推奨事項を使用してスコアが計算されます。スコアを生成するには、25件の転換済みのコンタクトと25件の未転換のコンタクトを含む、最低50件のコンタクトが必要です。
例えば、「開始:MQL」、「終了:SQL」、「時間枠:30日」と設定した場合、AIは、過去30日間に「MQL」から「SQL」に遷移したコンタクトの共通点を特定し、インサイトに基づいた基準でスコアを生成します。
スコア対象リストと除外リスト
スコアを作成する際、スコア対象とするレコード、および対象外とするレコードを選択することができます。スコアを設定する場合、[コンタクト]または[会社]タブで次のようにします:
- 全てのコンタクト/会社にスコアを付けることを選択した場合、除外リストを追加すると、選択したリスト内のレコードを除いた全てのレコードをスコアリングできます。
- 特定のコンタクト/会社にスコアを付けることを選択した場合、対象リストを追加すると、選択したリスト内のレコードのみをスコアリングできます。
エンゲージメントスコア、適合スコア、または複合スコアで、どのレコードにスコアを付けるかの選択についての詳細はこちらをご覧ください。
スコア プロパティー
スコアを作成すると、対応するスコアプロパティーが作成され、そのスコアのコンタクトプロパティー値と 会社プロパティー値が保存されます。スコアを有効にすると、コンタクトおよび会社が過去にさかのぼって評価され、スコアプロパティー値が設定されます。プロパティーは、コンタクトまたは会社がいずれかのスコア基準を満たすと、継続的に更新されます。
スコアの設定中に、プロパティー名と、コンタクトおよび会社プロパティーグループでの整理方法をカスタマイズできます。複合スコア(エンタープライズのみ)では、3つのプロパティーが作成されます。1つはエンゲージメントポイントと適合ポイントの合計値を格納する合計スコア、1つはエンゲージメントポイントのみを格納するエンゲージメントスコア、1つは適合ポイントのみを格納する適合スコアです。
例えば、貴社では2つの異なるサービスを販売しており、コンタクトが良いリードかどうかを判断するために異なるエンゲージメント条件を設定しているとします。そしてそれぞれのサービスに対して個別のエンゲージメントスコアを作成したいと考えています。このような場合、レコードのスコアを追跡するのに使用したり、ビュー、リスト、ワークフロー、レポートのフィルターで使用したりできる、別々の2つのプロパティーを持つことになります。
スコアのしきい値
各スコアに対して、スコアのしきい値を設定し、スコア値に基づいてレコードを分類することができます。スコア範囲ごとに色分けされたラベルを持つ、追加のしきい値プロパティーが作成されるため、有望なリードをすぐに特定できます。
- 複合スコアのラベルは、A1、A2、A3、B1、B2、B3、C1、C2、C3です。アルファベットは適合スコアの値を示し、Aは適合度が高く、Cは適合度が低いことを意味します。数字はエンゲージメントスコアの値で、1がエンゲージメントが高く、3が低いことを意味します。例えば、適合度は低いがエンゲージメント率が高いコンタクトにはC1の値が設定されます。
スコアが有効化または更新されるとどうなるか
スコアが有効化された場合
スコアが初めて有効になると、コンタクトおよび会社は、現在および過去のプロパティー値またはアクションに基づいて評価され、その後、スコアプロパティーに値が設定されます。今後、コンタクトおよび会社のスコアプロパティーの値は、プロパティー値やアクションで発生した変更に基づいて継続的に更新されます。
スコアを有効にする前に、レコードをテストするか、スコア分布をプレビューして、スコアがポイントを正しく割り当てているかどうかを確認することもできます。
スコアが更新された場合
スコアが更新されると、コンタクトおよび会社の現在および過去のプロパティー値とアクションが、スコアに加えた変更に基づいて再評価され、スコアプロパティーの値が更新されます。
他のツール(ビュー、リスト、ワークフロー、レポートなど)でスコアを使用している場合、行った変更がこれらのツールに設定された条件に影響を与えると、それらのツールも影響を受ける可能性があります。スコアプロパティーの使用箇所を確認および更新するには、次のようにします。
- HubSpotアカウントにて、[マーケティング]>[リードスコアリング]の順に進みます。
- スコアの行で、[プロパティー]列の番号をクリックします。
- 利用状況を表示したいスコアまたはしきい値プロパティーの名前をクリックします。
- プロパティーエディターで、[使用箇所]タブに移動します。
- 必要に応じて、ツールをクリックして、プロパティーの使用方法を編集または削除します。
HubSpotツールでリードスコアを使用する
スコアを有効にすると、他のツールでスコアプロパティーを使用して、リードの特定とセグメント化を行い、レポートを作成することができます。例えば、次のようなことが可能です。
- スコアのしきい値に従って、「高」スコアを持つ全てのコンタクトの、保存済みビューまたはリストを作成する。
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ワークフローを作成して、スコアが50以上の未対応コンタクトに自動的に担当者を割り当てる。
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ワークフローを作成して、会社のスコアが75以上になったときに、レコード担当者に通知を送信する。
- カスタムレポートを作成して、最初にビジネスとのインタラクションを行ったチャネル別にコンタクトのリードスコアを比較する。
スコア履歴とパフォーマンス
スコアを作成して有効にすると、レコードのカードを使用して、レコードのスコア履歴の詳細情報やグラフを表示できます。アカウントにMarketing Hub Enterpriseのサブスクリプションがある場合、スコアのパフォーマンスや、レコードがどのようにスコアのしきい値に分類されているかを示すレポートを分析することもできます。
その他のリソース
各スコアの作成方法については、以下の記事をご確認ください。
動画で確認したい場合は、HubSpotアカデミーのリードスコアリングのレッスンをご覧ください。