インポートファイルの設定
更新日時 2023年 1月 20日
対象製品
すべての製品とプラン |
初めてのCRMとしてHubSpotを使用する場合も、別のシステムからの移行の場合も、インポート処理(取り込み)はレコードの作成とデータベースの更新に役立ちます。インポートファイルは、ビジネスにおける関係性やプロセスの整理に使用するデータのスプレッドシートです。インポートを開始する前に、インポートファイルに関連するHubSpotの用語と要件を確認してください。
用語集
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CRMオブジェクト:コンタクト、会社、取引、チケットなど、ビジネスにおける関係性またはプロセスの種類。インポート処理でのオブジェクトとは、HubSpotにインポートするデータのタイプです。
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レコード:オブジェクトの個々の実データ(例えば「トム・スミス」は1件のコンタクトレコードです)。1種類のオブジェクトのインポートファイルでは、ファイル内の各行が1つのオブジェクトレコードを表します。1つのファイル内にある複数のオブジェクトをインポートする場合、各行は互いに関連付けられた複数のレコードを表します。
- アクティビティー:コンタクトに送信されたEメールや、チケットレコードに記録されたメモなど、レコードに関連付けることができるエンゲージメント。アクティビティーには、コール、Eメール、ミーティング、メモ、タスクがあります。インポートによって新規のアクティビティーを作成することはできますが、既存のアクティビティーを更新することはできません。コールとタスクは単体でインポートできますが、Eメール、ミーティング、メモはインポートしてCRMオブジェクトに関連付ける必要があります。
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プロパティー:レコードとアクティビティーに関する情報を格納するために作成されるフィールド。インポートの際には、プロパティーがファイルの列ヘッダーと結び付けられます。
ファイルの例
この例でインポートする「オブジェクト」は、コンタクトです。各行は「コンタクトレコード」を表します。情報の各列は「コンタクトプロパティー」(名、姓、Eメールアドレス)を表します。
- 固有(一意の)ID:HubSpot上で各レコードを個別のデータとして認識するために使用されるプロパティー値。インポートでは、2つの異なるレコードを関連付けたり(例:「トム・スミス」をインポートしてこの人の会社「スミス社」と関連付ける)、重複レコード(例:「トム・スミス」のレコードが2件ある状態)を防止したりするために、個別の識別情報(ID)が必要になります。HubSpotでのインポートに使用する固有IDの例を、次に示します。
- Eメール:コンタクトのEメールアドレス。コンタクトのインポート時に重複を避けたりコンタクトを別のオブジェクトと関連付けたりするには、これが必要です。コンタクトのEメールアドレスがない場合は、既存のコンタクトレコードの更新と関連付けに「レコードID」を使用します。
- 会社のドメイン名:会社のウェブサイトドメイン(例:example.com)。会社のインポート時に重複を避けたり会社を別のオブジェクトと関連付けたりするには、これが必要です。会社のドメイン名がない場合は、既存の会社レコードの更新と関連付けに「レコードID」を使用します。
- レコードID:HubSpotによって各レコードに付与される一意のプロパティー値。HubSpotから既存のレコードをエクスポートすると、各レコードに「レコードID」が付与されます。この列は、既存の取引やチケットをインポートして別のオブジェクトタイプに関連付ける場合に必須です。また、Eメールや会社ドメイン名がない場合に、個々のコンタクトおよび会社に固有の識別情報(ID)としても使用できます。
- 関連付けラベル(「Professional」と「Enterprise」のみ):レコード間の関係を指定する値です。関連付けラベルを作成した後、それらをレコードと一緒にインポートできます。
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列のマッピング:インポート処理の手順で、ファイル内の列ヘッダーとHubSpotプロパティーのひも付け操作を求められます。
例えば、1つのファイル内にあるコンタクトおよび会社をインポートし、関連付ける必要があるとします。インポートし、関連付ける「オブジェクト」はコンタクトおよび会社です。各行は「コンタクトレコード」と、関連のある「会社レコード」を表します。各列ヘッダーは、インポート中にマッピングされる「プロパティー」を表します。以下に示すファイルには、「コンタクトプロパティー」(名、姓、Eメールアドレス、電話番号、お気に入りの食べ物)および「会社プロパティー」(名前、会社のドメイン名)が含まれています。HubSpot上で重複しない2つのレコード(コンタクトの「Eメールアドレス」、会社の「会社のドメイン名」)に結び付けられる各オブジェクトにも、固有のIDがあります。インポート処理中には、HubSpotプロパティーに列のマッピング(「First Name」列と「名」HubSpotプロパティーなど)を行います。
ファイルの例
列をプロパティーにマッピング
インポートに必要な条件
ファイル要件
HubSpotにインポートされる全てのファイルは、次の事項を満たしている必要があります。- .csv、.xlsx、または.xlsファイル。
- 1シートのみが含まれている。
- 1,048,576行未満、1,000列未満。
- 512MBよりも小さい。
- ヘッダー行が含まれていて、その各列ヘッダーがHubSpot内の特定のプロパティーに対応する。列のヘッダーを任意の順序で整理することができます。それによってインポートが影響を受けることはありません。インポート処理の前に、ヘッダーに一致する既定のプロパティーが存在するか、カスタムプロパティーを作成するかを確かめておくことができます。HubSpotのコンタクト、会社、取引、チケットの既定のプロパティーの詳細をご覧ください。
- 英語以外の文字が含まれる場合は、UTF-8でエンコードされている。
- Excelファイルの日付/時刻プロパティーをインポートしている場合は、数値の書式のセルが含まれている。
- 小数を使用する米ドルの形式の通貨データのみが含まれている(例:123.45)。
プロパティーの要件
- インポートするオブジェクトまたはアクティビティーによっては、ファイルに次の列が含まれている必要があります。
- コンタクト:「名」、「姓」、「Eメール」、「レコードID」のうち少なくとも1つ。
- 会社:「名前」、「会社のドメイン名」、「レコードID」のうち少なくとも1つ。
- 取引:「取引名」または「レコードID」、および新しい取引を作成する場合は「パイプライン」と「取引ステージ」。
- チケット:「チケット名」または「レコードID」、および新しいチケットを作成する場合は「パイプライン」と「チケットステータス」。
- 製品:「名前」または「レコードID」、および「単価」。
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- 商品項目:「名前」、「数量」、「価格」、および関連付けられた取引の「レコードID」または「取引名」。さらに商品項目を製品に関連付ける場合は、製品の「製品ID」を含めてください。これはインポート時に商品項目プロパティーにマッピングされます。
注:インポートによって新規の商品項目を作成することはできますが、インポートによって既存の商品項目を更新することはできません。取引に関連付けられた商品項目をインポートした場合、関連付けられた取引金額はインポートによって更新されません。既存の商品項目を更新したい場合、または関連付けられた取引金額を更新したい場合は、HubSpot上で手動で商品項目を編集するか、商品項目を関連付けることができます。
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- コール:通話メモ。コール用にインポートできる追加プロパティーについて詳細をご確認ください。
- Eメール:「Eメールの本文」と「Eメールの方向」。Eメール用にインポートできる追加プロパティーについて詳細をご確認ください。
- ミーティング:「ミーティングの説明」。ミーティング用にインポートできる追加プロパティーについて詳細をご確認ください。
- メモ:「メモの本文」。メモ用にインポートできる追加プロパティーについて詳細をご確認ください。
- タスク:「タスクのタイトル」と「期日」。タスク用にインポートできる追加プロパティーについて詳細をご確認ください。
- インポートツールはスプレッドシートの空白セルを無視するので、新しいプロパティーデータをインポートするときは、プロパティーの値がないレコードのセルを空白のままにしておくことができます。ただし、HubSpot内で既存のレコードのプロパティーにすでに値がある場合、既存のプロパティー値は空白セルによってクリアされません。既存のプロパティー値を一括でクリアするには、手動で値を編集するか、「プロパティー値をクリア」ワークフローアクションを使用します。
- 既存のレコードの更新、レコードの関連付け、重複レコードの回避を行うには、各オブジェクトの固有の識別情報(ID)プロパティーを含める必要があります。全てのオブジェクトについて、既存のレコードをエクスポートし、「レコードID」を固有の識別情報(ID)として使用することができます。コンタクトについては、「Eメール」も使用できます。会社については、「会社のドメイン名」も使用できます。
- 複数のオブジェクトをインポートする際に「レコードID」を含める場合は、IDが正しいオブジェクトと一致するようにファイルの列ヘッダーを区別することをお勧めします(例えば、「レコードID - コンタクト」という列と「レコードID - 会社」という別の列を設定します)。
- HubSpotにセカンダリーEメールアドレスが入力されている既存のコンタクトについては、そのコンタクトの固有の識別情報(ID)としてセカンダリーEメールを使用できます。セカンダリーEメールを使用し、ファイルに「レコードID」列を含めなかった場合、プライマリーEメールはセカンダリーEメールに置き換えられません。しかし、ファイルにセカンダリーEメールと「レコードID」の両方を列として含めた場合は、プライマリーEメールがセカンダリーEメールに置き換えられます。
- 「電話番号」および「携帯電話番号」コンタクトプロパティーについて、インポートした電話番号を国コードに基づいて自動的に書式設定する場合は、+[国コード][電話番号]の形式で書式設定します。内線番号がある場合は、ext[内線番号]を追加します。例えば、アメリカ合衆国の国コードを含む電話番号は、+11234567890 ext123のようになります。
- 価格を含むプロパティーには、HubSpotで利用可能な通貨のいずれかを使用する必要があります。利用可能な通貨とその通貨コードの一覧は、アカウントの既定設定の「通貨」タブで確認することができます。
- 日付を含むプロパティーの場合、日付値の形式は次のいずれかでなければなりません。
- mm/dd/yyyy(例:10/28/2020)
- dd/mm/yyyy(例:28/10/2020)
- yyyy-mm-dd(例:2020-10-28)。
注:HubSpotの既定の日付プロパティー(例:[クローズ日])をインポートする場合、値はミリ秒単位のUNIXタイムスタンプ形式でなければなりません。Excelファイルをインポートしている場合は、日付/時刻プロパティーのセルは数値の書式でなければなりません。タイムスタンプの値を形式設定する方法、および日付をUNIX形式に変換する方法をご覧ください。
- インポート時にレコードまたはアクティビティーに担当者を割り当てるには、「[オブジェクト]の担当者」ヘッダーを含めて、その列の各行に該当するユーザーの名前またはEメールアドレスを追加します。インポートを通じてレコードを割り当てられるユーザーには、新しいレコードの割り当てに関する通知は届きません。
- プロパティーフィールドの種類によっては、次のような所定の形式が必要です。
- カスタムの数値またはテキストプロパティーに検証ルールを設定している場合、インポートする値はそのルールに従っている必要があります。さもないと、その値はインポートされません。
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- 列挙プロパティータイプの場合、インポートファイルの値は、プロパティーの定義されたオプションのラベルまたは内部値のいずれかと一致する必要があります。
- チェックボックスプロパティーへのインポートに関する詳細をご覧ください。
- 製品をインポートする場合(ProfessionalおよびEnterpriseのみ):
- 「期間」プロパティー値をインポートする場合は、「期間」列の値を「PXM」(Xは月数で、例えばP6Mは6か月の期間)、または「PXY」(Xは年数で、例えばP1Yは1年の期間)のように表記します。
- 「請求頻度」プロパティー値をインポートするには、製品の価格タイプが定期の場合は月次、年次、四半期ごとを使用します。製品の価格が1回限りの場合は、セルを空白のままにします。
関連付けの要件
- 1つのファイルで複数のオブジェクトをインポートして関連付けるには、関連するレコードまたはアクティビティーの情報を同じ行に含めます。2つのファイルでは、共通する列を使用して各ファイル内のレコードを接続します。レコードのインポートと関連付けの詳細については、サンプルファイルを参照できます。
- Eメール、ミーティング、メモを単体でインポートすることはできません。インポートしてレコードと関連付ける必要があります。
- 1つのレコードを別のオブジェクトの複数のアクティビティーまたはレコードと関連付けるには、そのレコードの固有の識別情報(ID)を、関連付けたい各レコードに対応する複数の行に含めます。例えばLuke Danes氏は「Luke's Diner」では店長ですが、「The Dragonfly Inn」では契約社員です。同氏を両方の会社に関連付けるには、Luke Danesに対応する2つの行を含めて、会社ごとに「Eメール」(または「レコードID」)列と「会社のドメイン名」(または「レコードID」)列を使用する必要があります。
注:固有の識別情報(「Eメール」、「会社のドメイン名」、「レコードID」など)を含めなかった場合、インポートによってそれぞれが同じレコードに関連付けられるのではなく、重複したレコードが作成されます。複数のオブジェクトをインポートして関連付ける方法の詳細をご覧ください。
- 関連付けラベルをインポートするには(「Professional」と「Enterprise」のみ)、「関連付けラベル」の列を含めます。インポートする前に、HubSpotで関連付けラベルを作成する必要があります。
- 2つのレコードの関係を表すラベルを複数設定するには、1つのセルにセミコロンで区切って複数の関連付けラベル値を含めることができます(例:マネージャー; 請求先コンタクト)。
- 複数ファイルのインポートで関連付けラベルをインポートする場合は、「関連付けラベル」列および関連付けるオブジェクトの固有の識別情報を同じファイルに含める必要があります。
- インポートによって子会社と親会社の関連付けを作成するには、親会社の「レコードID」の値を含む「親会社」列をインポートファイルに含めます。子会社のインポートについて詳細をご確認ください。
インポートファイルのサンプル
以下のファイルには、各オブジェクトタイプの必須列ヘッダーと、使用可能な追加のヘッダーが含まれています。ご自分の組織のHubSpotデータベースの維持に必要なプロパティーを他にも更新または作成するために、独自の列ヘッダーを追加することもできます。
1つのオブジェクト
- コンタクトのサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
- 会社のサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
- 取引のサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
- チケットのサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
- 製品のサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
ファイルの準備ができたら、HubSpotに1つのオブジェクトをインポートする方法について詳細をご確認ください。
注:製品は、1つのオブジェクトのインポートでのみインポートできます。既存の製品を1つの商品項目に関連付けるか、手動で製品を取引または見積もりに関連付けることができます。
関連付けを伴う複数オブジェクト
オブジェクトのインポートと関連付けは、1つのファイル内にまとめて、または1種類のオブジェクトを表す2つのファイルに分けて行うことができます。
1つのファイル内にある複数のオブジェクトをインポート
1つのファイル内にある複数のオブジェクトをインポートして関連付けるには、ファイル内の同じ行に関連付けるレコードを含めます。これらのサンプルファイルは一般的な使用例ですが、列ヘッダーを別のオブジェクトのプロパティーに変更すれば自由に組み合わせることができます。
- コンタクトと会社のサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
- 関連付けラベルを含むコンタクトと会社のサンプルスプレッドシート:XLXSまたはCSV
- コンタクトとチケットのサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
- 会社と取引のサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
- 会社とメモのサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
- 会社、取引、メモのサンプルスプレッドシート:XLSXまたはCSV
- 取引と新規の商品項目のサンプルスプレッドシート(関連付けられた製品を含む):XLSXまたはCSV1つのファイルでインポートする場合、1つの取引についてインポートできる商品項目は1つだけです。
- コールとコンタクトのサンプルスプレッドシート:CSV
- メモとチケットのサンプルスプレッドシート:CSV
- タスクと既存の取引のサンプルスプレッドシート:CSV
2つのファイル内にある複数のオブジェクトをインポート
2つのファイルをインポートして関連付けを行う場合は、各ファイルがオブジェクトを表します。複数のファイル間で関連付けるレコードを特定するために、両方に共通する列を含める必要があります。一方のファイルには、この列の各行に重複しない固有の値が含まれている必要があります。この値をもう一方のファイルで、各行に関連付けるレコードを示すために使用します。
例えば、一般的な使用例は、コンタクトおよび会社をインポートして関連付けることです。次のサンプルファイルでは、Company Name(会社名)が共通の列になっています。
会社ファイルの「Company name」(会社名)列の各行には、重複のない固有の値があります。コンタクトファイルの各行では、「Company name」列の値が、コンタクトの関連付け先となる会社と一致しています。このようなファイルをコンタクトおよび会社のインポートに使用できます。つまり、共通の列があれば、他のオブジェクトを自由に組み合わせることができます。
- 2つのファイルに関連付けラベルがある取引と会社:これらのサンプルファイルでは、「会社名」が「会社」オブジェクトの一意のキーです。
- 2つのファイルの取引と新規の商品項目:これらのサンプルファイルでは、「取引名」が「取引」オブジェクトの一意のキーです。2つのファイルでインポートする場合は、1つの取引について複数の商品項目をインポートできます。
- 2つのファイルのコールとコンタクト:これらのファイルでは、「Eメール」がコンタクトの共通の列であり、一意のキーです。
ファイルの準備ができたら、HubSpotに複数のオブジェクトをインポートして関連付けるか、アクティビティーをインポートする方法について詳細をご確認ください。
Thank you for your feedback, it means a lot to us.