アトリビューションレポートを理解する
更新日時 2023年 3月 23日
コンタクト作成アトリビューション、取引作成アトリビューション、収益アトリビューションレポートを作成する際に、コンテンツタイプ、アセットタイプ、インタラクションタイプやソースなどの情報について、以下のガイドを参考にしてください。
インタラクション
アトリビューションモデルでは、HubSpotでコンタクト、取引、収益の作成につながったインタラクション(やり取り)にクレジットが結び付けられ、リードコンバージョンの過程における主要なコンバージョンポイントに多くのクレジットが割り当てられます。
コンタクト作成アトリビューションレポートの場合、主要なコンバージョンポイントは以下のとおりです。
- 最初のインタラクション:HubSpotに記録されたコンタクトの最初のやり取り。通常、ウェブサイトへの初回訪問です。
- 最後のインタラクション:コンタクトがHubSpotのコンタクトに転換される前の、コンタクトの最後のインタラクションになります。
取引作成アトリビューションレポートおよび収益アトリビューションレポートの場合、主要なコンバージョンポイントは以下のとおりです。
- 最初のインタラクション:HubSpotに記録された顧客の最初のやり取り。通常、ウェブサイトへの初回訪問です。
- リード作成:顧客がHubSpotのコンタクトに転換される前の、顧客の最後のやり取りになります。
- 取引作成:取引が関連付けられる前の、顧客の最後のやり取りになります。
- 成約:顧客に関連付けられた取引が成約ステージに進む前の、顧客の最後のやり取りになります。
こうした主要なコンバージョンポイントの間に発生したインタラクションは、中間のインタラクション、またはその他のインタラクションと呼ばれます。同じコンタクトによるインタラクションは、アトリビューションレポートで個別にカウントされることに注意してください。例えば、コンタクトがマーケティングEメールを複数回クリックした場合、各クリックが個別にインタラクションと見なされ、収益アトリビューションとして考慮されます。
インタラクションソース
インタラクションは、そのインタラクションが発生したセッションのトラフィックソースによって分類されます(例:AdWords広告から開始されたセッション中のページビュー(ページの閲覧)は、[検索連動型広告]に分類されるインタラクションになります)。
セッション中にインタラクションが発生しない場合は、以下のインタラクションタイプに基づいて分類されます。
- ミーティング、コール、営業Eメールの返信、コミュニケーションのインタラクションは「セールス」に分類されます。取引作成および収益アトリビューションレポートの場合、営業アクティビティーはコンタクトレコードおよび関連する取引レコードに関連付けられる必要があります。例として、以下のような場合が挙げられます。
- コンタクトレコードが取引レコードに関連付けられている場合。
- HubSpotユーザーが取引に関してコンタクトに電話し、コンタクトレコードにその通話を記録した場合。ただし、このコールアクティビティーがコンタクトレコードの最新の5つの進行中の取引のいずれかに該当する場合は、自動的に取引レコードに関連付けられます。それ以外の場合は、ユーザーが手動で取引レコードにコールを関連付ける必要があります。
注:手動でログに記録されたコールエンゲージメントは、「取引作成」アトリビューションにも「収益」アトリビューションにも計上されません。また、コールはCRMを介して行われたものか、HubSpotでサポートされているサードパーティー通話プロバイダーを介して行われたものである必要があります。
- この通話が取引とコンタクトの両方に関連付けられている場合、レポートで通話が取引に関連するものと見なされ、取引作成アトリビューションに考慮されます。
- この通話が取引に関連付けられていない場合は、通話の目的が取引と関係ないことが考えられるため、取引作成アトリビューションレポートには考慮されません。
- マーケティングEメールのクリックによるインタラクションは、「Eメールマーケティング」に分類されます。
- ソーシャル投稿のクリックによるインタラクションは、「ソーシャルメディア」に分類されます。
- インタラクションがコンタクトによって作成され、オフラインで発生した場合は、「オフラインソース」に分類されます。オフラインソースについて詳細をご確認ください。
インタラクションタイプ
アトリビューションレポートに含まれるインタラクションタイプは、設定で有効になっているインタラクションのタイプによって異なります。ほとんどのインタラクションタイプは既定で有効になっていますが、シーケンスのアクションなど、タイプによっては手動で有効にする必要があります。
アトリビューションレポートのインタラクションタイプのカスタマイズについて詳細をご確認ください。
アセットタイプ
- コンタクトのインポート:コンタクトをインポートします。
- ウェブサイトページ:HubSpotのウェブサイトページ。
- ランディングページ:HubSpotのランディングページ。
- ブログ記事:HubSpotのブログ記事。
- ミーティング:HubSpotでセットアップまたはログインしたミーティング。
- ナレッジベースの記事:HubSpotナレッジベースの記事。
- その他のHubSpotページ:ミーティングリンクやサブスクリプションページなど、分類されていないHubSpotが開発したページ。
- アセットタイプのないページ:上記のどのカテゴリーにも分類されない、HubSpotトラッキングコードがインストールされたページ(外部でホスティングしているページも含まれます)。
- ソーシャル投稿:HubSpot経由で公開されたソーシャル投稿。
- セールスEメール:HubSpotで送信、トラッキングまたは記録された1対1のEメール。
- 広告:HubSpotでトラッキングされた広告。
- コミュニケーション:HubSpotでのコミュニケーション。
- 連携:連携を介してコンタクトレコードに記録されたインタラクション(Salesforce、Zoom、カスタムAPIで作成されたコンタクトなど)。
- その他のリード作成:上記以外の手段(HubSpotでの手動での作成、Sales Hub拡張機能による作成など)によって作成されたコンタクト。
注:外部ページにコードを追加して、特定のコンテンツタイプを設定した場合、過去のインタラクションが新しいコンテンツタイプに更新されることはありません。過去のインタラクションは、コンテンツタイプのないページに結び付けられます。
外部でホスティングされているページから特定のアセットタイプにクレジットを振り分ける
ウェブサイトがHubSpotでホスティングされておらず、外部で管理されている場合でも、ページのアトリビューションレポートを作成できます。ただし、既定では、外部でホスティングされているページに結び付けられるクレジットは、「Pages without asset type(アセットタイプなしのページ)」のアセットタイプに分類されます。
ページに特定のコンテンツタイプを割り当てるには、そのページに次のコードを追加するよう開発者チームに依頼できます。
var _hsq = window._hsq = window._hsq || [];
_hsq.push(['setContentType', 'CONTENT_TYPE']);
上記のコードに含まれるCONTENT_TYPE
テキストを、クレジットを結び付けるコンテンツタイプに応じた式で置き換えてください。
- [ウェブサイトページ]のコンテンツタイプに結び付けるには、
standard-page
またはsite-page
の式を使用します。 - [ランディングページ]のコンテンツタイプに結び付けるには、
landing-page
の式を使用します。 - [ブログ記事]のコンテンツタイプに結び付けるには、
blog-post
の式を使用します。 - [ナレッジ記事]のコンテンツタイプに結び付けるには、
knowledge-article
の式を使用します。
このコードの仕組みについてはHubSpotの開発者用ドキュメントをご覧ください。
注:ページに上記のコードを追加すると、新しいページのインタラクションのみが特定のコンテンツタイプに結び付けられます。HubSpotにより過去のインタラクションが新しいコンテンツタイプに更新されることはありません。過去のインタラクションは、[Pages without content type(コンテンツタイプなしのページ)]に結び付けられます。
アトリビューションモデル
アトリビューションモデルでは、カスタマージャーニーの過程で発生するインタラクションにクレジットが振り分けられます。以下では、HubSpotで利用可能なアトリビューションモデルと、目的に適したモデルを選択する方法について説明します。
最初のインタラクション
このモデルでは、コンタクトクレジットの100%が、コンバージョンパスのコンタクトの最初のインタラクションに結び付けられます。
次の場合、このモデルを選択してください。
- 自社ブランドがどのように発見されたかを知りたい場合。例えば、新しいビジネスを生み出す必要がある場合、このレポートは、既存の顧客が自社コンテンツに対して最初にどのように反応したかを理解するのに役立ちます。
- リードを創出し、一般的なブランド認知度を高めたいと考えている場合。
- 取引の成約件数が非常に多く、営業パイプライン全体で取引が活発である場合。
最後のインタラクション
このモデルでは、コンタクトクレジットの100%が、コンバージョンパスのコンタクトの最後のインタラクションに結び付けられます。
次の場合、このモデルを選択してください。
- セールスファネルの最下層で行われたアクションの価値を知りたい場合。
- リードの創出数は多いものの、取引の成約率が低い場合。そのような状況では、このモデルを使用して取引を成約に導いているインタラクションを確認することができます。
- 有望なリードを顧客に転換するプロセスを最適化したいと考えている場合。
このモデルは、パイプライン全体でリードを次の段階へと導いているマーケティングアセットと営業エンゲージメントを特定する目的には適していません。
線形
このモデルでは、コンタクトクレジットが、コンバージョンパスの各インタラクションに等しく結び付けられます。
次の場合、このモデルを選択してください。
- 全てのマーケティングチャネルのパフォーマンスを全体的に把握する必要がある場合。
- コンタクトがコンタクトになる前、取引に関連付けられる前、取引が成立する前に、コンタクトが反応した全てのアセットにクレジットを振り分けたい場合。
このモデルでは、クレジットが全てのインタラクションに均等に割り当てられるため、効果が得られているキャンペーンまたはアセットを特定する目的には適していません。例えば、あるプロスペクトが20件のウェブページを訪問した場合と同じ割合のクレジットが、展示会や、セグメント別に対象を絞り込んだEメールキャンペーンにも振り分けられることになります。
U字型
このモデルでは、コンタクトクレジットの40%が、最初のインタラクションとリード転換につながる各インタラクションに結び付けられます。残り20%は、他の全てのインタラクションに等しく振り分けられます。
次の場合、このモデルを選択してください。
- ファネルの最上層に有望なリードを創出する必要がある場合。
- 信頼関係を築き、有望なリードへと転換するためのリードのオーディエンス層を構築したい場合。
このモデルでは、コンタクトの作成後に発生するインタラクションは考慮されないため、「Middle of the funnel(ファネルの中間層)」または「Bottom of the funnel(ファネルの最下層)」でのマーケティング活動では効果を得られません。
W字型
このモデルでは、最初のインタラクションにコンタクトクレジットの30%、コンタクトを作成したインタラクションに30%、取引を作成した最後のインタラクションに30%が振り分けられます。残り10%は、最初と最後のインタラクションの間で行われた全てのインタラクションに均等に振り分けられます。
次の場合、このモデルを選択してください。
- リードの作成または取引の作成から顧客の創出へと、パイプラインがスムーズに流れている場合。
- 有望なリードを顧客へと転換する手段は限られているが、有望なリードの創出と関係構築を推進するチャネルが複数ある場合。
このモデルでは、営業活動でのインタラクションやファネルの最下層でのインタラクションの効果を測定する目的には適していません。その理由は、こうした活動やインタラクションにクレジットが結び付けられないためです。
時間減衰
このモデルでは、最近のインタラクションに振り分けられるコンタクトクレジットの割合が高くなります。クレジットは7日間の半減期を使用して振り分けられます。つまり、コンバージョンが発生する8日前のインタラクションには、同じコンバージョンが発生する前日のインタラクションと比較すると、そのクレジットの半分が振り分けられることになります。
フルパス
このモデルは、アトリビューションレポートでのみ使用できます。取引収益クレジットの22.5%が、最初のインタラクション、リード作成、取引作成、および最後のインタラクションにそれぞれ結び付けられます。取引収益クレジットの残り10%は、他の全てのインタラクション(中間のインタラクションなど)に均等に振り分けられます。
次の場合、このモデルを選択してください。
- ファネルとカスタマージャーニーの全体を注視している場合。
- マーケティング部門と営業部門の連携が収益を推進してる主な要因となっている場合。
- 大規模なマーケティング営業組織や、コンバージョンを推進するためのマーケティングチャネルと営業チャネルが複数ある場合。
J形
このモデルでは、クレジットの20%が最初のインタラクションに、60%がコンバージョンに結び付けられます。残りの20%は、コンバージョンパスの他のインタラクションに振り分けられます。
最初のインタラクションとコンバージョンポイントでのインタラクションの両方にクレジットを振り分けるが、コンバージョンを重視したい場合は、このモデルを選択します。
逆J形
クレジットの60%が最初のインタラクションに、20%がコンバージョンに結び付けられます。残りの20%は、コンバージョンパスの他のインタラクションに振り分けられます。
最初のインタラクションとコンバージョンポイントでのインタラクションの両方にクレジットを振り分けるが、最初のインタラクションを重視したい場合は、このモデルを選択します。
ディメンション
- アセットディメンション:ランディングページなど、取引に関連するコンタクトが反応したアセットに、取引収益クレジットが割り当てられます。次のアセットディメンションを選択できます。
- アセットタイトル:アセットのタイトル。アセットにタイトルがない場合は、アセットのURLが表示されます。
- アセットタイプ:アセットのタイプ。
- 取引ディメンション:成約に至った取引の属性によって取引収益クレジットが割り当てられます。次の取引ディメンションを選択できます。
- 取引の作成日:関連付けられた取引が作成された日付。
- 取引クローズ日:関連付けられた取引がクローズした日付。
- 取引:取引の名前。
- 取引担当者:取引の担当者。
- 取引パイプライン:取引に関連付けられたパイプライン。
- 取引タイプ:取引のタイプ。
- Interaction dimensions(インタラクションディメンション):カスタマージャーニーの途中で発生したインタラクションによって、取引収益クレジットが割り当てられます。次のインタラクションディメンションから選択できます。
- Interaction position(インタラクションの位置):カスタマージャーニーに沿ったインタラクションの位置。
- インタラクションソース:インタラクションが開始されたポイント。インタラクションソースについて詳細をご確認ください。
- Interaction date(インタラクション日付):インタラクションが発生した日時。
- インタラクションタイプ:インタラクションのタイプ。インタラクションタイプおよびレポート用にインタラクションタイプをカスタマイズする方法の詳細をご確認ください。
- コミュニケーションのURL:インタラクションが行われたURL。
- UTMディメンション:インタラクションが行われたURLに存在するUTMパラメーターによって、取引収益クレジットが割り当てられます。次のUTMディメンションから選択できます。
- UTMキャンペーン:インタラクションに関連付けられたUTMキャンペーン。
- UTMソース:インタラクションに関連付けられたUTMソース。
- UTMメディア:インタラクションに関連付けられたUTMメディア。
- UTMコンテンツ:インタラクションに関連付けられたUTMコンテンツ。
- UTMキーワード:インタラクションに関連付けられたUTMキーワード。
- 他のディメンション:次のディメンションで取引収益クレジットが割り当てられます。
- 広告キーワード:広告への反応を引き起こしたキーワード。
- キャンペーン:マーケティングコンテンツに関連付けられたキャンペーン。
- 会社:コンタクトが関連付けられている会社。
- CTA:インタラクションが関連付けられているCTAのID。
- フォーム:インタラクションが関連付けられているフォーム。
- リードソース:コンタクトのソース。
- ソーシャル投稿:インタラクションが行われた場所に関連付けられたHubSpotのソーシャル投稿。
収益アトリビューションの計算
予想していたデータがレポートに表示されない場合は、どんなデータがレポートで使用されるかを確認してください。レポートでは、次は考慮されません。
- HubSpotトラッキングコードを使用したランディングページに誘導するキャンペーンで、トラッキングURL(UTM)を使用せずにHubSpot外部で発生した収益または顧客とのインタラクション。
- [金額]プロパティー、[作成日]プロパティー、および[クローズ日]プロパティーに既知のプロパティー値が設定されていない取引による収益または顧客に関するインタラクション。および、
- コンタクトレコードと上記のプロパティー値を含む取引レコードの両方に関連付けられてはいない営業アクティビティー(コール、ミーティング、会話、および1対1のEメール)。
レポートには、次の全ての条件を満たす取引のみが含まれます。
- 成約ステージにある取引であること。
- 取引パイプラインを確認して、成約ステージにあるかどうかを判断します。
- このステージにない場合、新しい取引ステージを作成するか、既存の取引ステージを編集して成約ステージにするように更新します。
- 実際に成立した取引を更新して、成約ステージに進ませます。
- 少なくとも1件のコンタクトが関連付けられている取引であること。
- レポートは、HubSpotでトラッキングされているコンタクトのインタラクションに基づきます。コンタクトが関連付けられていない場合、どのインタラクションも収益に結び付けられません。
- 取引にコンタクトが関連付けられていない場合、取引に最も適切なコンタクトを特定し、そのコンタクトを取引に関連付けることができます。
- 取引には、[金額]プロパティー、[作成日]プロパティー、[クローズ日]プロパティーに既知のプロパティー値が設定されている必要があります。レポートには、これらのプロパティー値が必要です。値が空の場合、適切な値を取引のプロパティーに追加してください。
取引が全ての条件を満たしている場合にレポートに使用される主なデータには、次が含まれます。
- 取引の[金額]プロパティーからの収益。
- 取引レコードとコンタクトレコードに関連付けられている一般的なインタラクションとアクティビティー。